弘法大師像(善通寺御影) 香川県立ミュージアム所蔵
地元では「お大師さま」として親しまれている弘法大師 空海。2023年6月15日に御誕生1250年を迎えます。これを記念し、誕生の地である香川県内では、さまざまな催しを開催。50年に一度の秘仏御開帳や、弘法大師ゆかりの国宝一挙公開など、見逃せないイベントが満載です。
四国霊場
第75番札所総本山 善通寺
弘法大師がその誕生の地に、父・善通(よしみち)の菩提寺として建立したといわれる善通寺。高野山の金剛峯寺、京都の東寺とともに弘法大師三大霊跡のひとつとして、古くから信仰をあつめています。
総面積約45,000平方メートルに及ぶ広大な境内には弘法大師ゆかりの品を展示する宝物館や御影堂地下にある約100メートルの真っ暗な通路を歩く「戒壇めぐり」など、見どころ満載です。
総本山 善通寺
善通寺市善通寺町3-3-1 TEL:0877-62-0111
【駐車場】有料あり(大型バス可) マイクロバス・大型バス1,000円、普通車300円
秘仏本尊
「瞬目大師像」特別御開帳 
期間 | 4月23日(日)~6月15日(木) 9:00~17:00(入館16:30まで) |
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拝観料 | 2,000円(前売1,800円) (宝物館、戒壇めぐり入場料を含む) |
弘法大師の50年ごとの御誕生や御遠忌のみで御開帳される御影堂秘仏本尊の「瞬目大師像」が、今回御誕生1250年を記念して特別に御開帳されます。
この秘仏は、別れを嘆く母親のために弘法大師自らが描き残したものと伝えられ、鎌倉時代、土御門天皇拝覧の折に、御目を瞬きされたことから「瞬目大師」の御尊号を下賜されました。

国指定重要文化財 五重塔特別公開
期間 | 4月29日(土・祝)、30日(日) 5月1日(月)〜7日(日)・13日(土)・14日(日)・ 20日(土)・21日(日)・27日(土)・28日(日) 6月3日(土)・4日(日)・10日(土)・11日(日)・14日(水)・15日(木) 9:00~16:00 |
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拝観料 | 300円 |
善通寺のシンボルとして親しまれている五重塔は、総高43メートル。国内の木造塔として3番目の高さを誇り、国の重要文化財となっています。
今回その初層・第二層が公開されます。密教思想の中心的存在である五智如来や、「懸垂工法」と呼ばれる心柱が地面からわずかに浮く特殊な構造を見ることができます。
弘法大師御誕生1250年記念大法会
期間 | 4月23日(日)~ 6月15日(木) |
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場所 | 総本山善通寺 御影堂 |
真言宗の総大本山など、各団体による法要が執り行われます。
祝御誕生1250年御朱印
期間 | 6月15日(木)まで |
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初穂料 | 1,000円 |
弘法大師御誕生1250年記念し、弘法大師が「真魚(まお)」と呼ばれていた幼い頃の稚児大師立像(総本山善通寺所蔵)の写真を掲載した限定御朱印が、境内納経所にて授与されています。
四国霊場
第73番札所
我拝師(がはいし)山の山裾に佇む出釋迦寺(しゅっしゃかじ)。
寺の伝承によれば、弘法大師が7歳の時この山に入り、「将来仏門に入り、仏の教えを広めて多くの人を救いたい。私の願いが叶うなら釈迦如来よ、姿を現したまえ。もし叶わぬのなら一命を捨ててこの身を諸仏に捧げる。」と断崖絶壁から身を投じたところ、釈迦如来が天女を連れて現れ、幼い大師は抱きとめられて崖の上に返されたそうです。
後に大師は、自らが彫った釈迦如来を本尊として、出釋迦寺をこの地に開創。山上に建てられた寺はその後山裾に移り、元の場所は「捨身ヶ嶽禅定(しゃしんがだけぜんじょう)」として、奥の院となりました。
奥の院は出釋迦寺から山道を1.8kmほど登ったところにあり、瀬戸内海まで見渡せる絶景を見ながら鐘をつくことができる鐘楼は、「天空の鐘」と呼ばれています。
大師が身を投じた場所は、そこからさらに岩場を50m程登ったところにあります。
出釋迦寺 岡田住職
捨身ヶ嶽より臨む景色は、西行法師が、空海ゆかりの善通寺の山麓に草庵を築いて詠んだ景色を彷彿させます(編集部)。
「曇りなき山にて海の月見れば
島ぞ氷の絶え間なりける」
大意)
大師縁の善通寺の山より海に映った月を見ていると、氷が途切れているように見えたのは瀬戸内の島々であった。
出釋迦寺
善通寺市吉原町1091 TEL:0877-63-0073
【駐車場】無料 普通車30台 大型車5台
四国霊場
第77番札所道隆寺
弘法大師彫像の秘仏御開帳
期間 | 12月31日(日)まで |
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弘法大師が彫った薬師如来像の胎内には、この地方の領主・和気道隆(わけみちたか)が和銅5年(奈良時代頃)、桑の大木を切り彫造した小さな薬師如来像が納められています。
「腹ごもり薬師」や「二体薬師」とも呼ばれ、弘法大師御誕生1250年を記念して御開帳しています。
道隆寺
多度津町北鴨1-3-30
TEL:0877-32-3577
【駐車場】無料
普通車30台
マイクロバス7台
大型バス4台
7:00~17:00
『空海―史上最強、讃岐に舞い降りた
不滅の巨人』展
期間 | 4月22日(土)~5月21日(日) 9:00~17:00(入館16:30まで) |
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料金 | 1,200円、前売り・団体(20名以上)1,000円、 高校生以下、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方は無料 |
讃岐国多度郡に生まれた空海。空海をテーマに、国宝10件、重要文化財15件、地方指定文化財7件など全60作品を一挙公開。空海その人のぬくもりを伝える名宝のほか、弘法大師信仰の広まりのなかで創出され継承されてきた御影や物語絵などを展示します。
- ▶国宝「金銅錫杖頭」善通寺蔵(中国・唐時代)
- 〈後期5月7日~展示〉
空海生誕の地、総本山善通寺の至高の御宝物、
唐から持ち帰ったと伝わる密教法具。
- ▼国宝「三十帖冊子」仁和寺蔵(平安時代)
〈会期中に場面替あり〉 - 経典類を書き写した空海の小さなノート。
唐の写経生などの筆と空海自身の筆が混ざる。
香川県立ミュージアム
高松市玉藻町5-5
TEL:087-822-0002
【駐車場】有料あり